トニセンディナーショー2019 グランドプリンスホテル新高輪 飛天レポ④ 逢いに行こう~井ノ原くんとハイタッチ編


井ノ原くんの甘い声に誘われるようにしてバクステに勢揃いしたトニセンを見て、ああそうだった、今日はトニセンに会いに来たんだったと思い出した。

だいぶ脳機能は回復したのだけど、まだなんだかぼうっとしてしまっていて、キーボードがどうとかちょっと話してたのにそれは記憶として留まらずにこぼれ落ちていった。
とにかく坂本くんが弾くらしいということはわかった。

理解したけど理解しきれない変な感じがしていて、何の曲を弾くんだろうとかまで思いは至らず、はぇ…弾くの…坂本くん…とだけ思っていた。
けれども演奏が始まったその瞬間に「『逢いに行こう』!!!!!!」とイントロクイズばりの光の速さで閃いた。
そういうとこは処理早い脳みそなんなん…

逢いに行こうは本当に本当に本当に大好きで、個人的いつかやってほしいトニ曲&やってくれたら絶対泣いちゃう曲ナンバーワンだった。
今回可能性あるかもと予想してはいたのだけど、「ああっ本当にやってくださるとはっ…!」と「好き…逢いに行こう好き…」とで思考が止まり、胸がいっぱいになりすぎて息まで詰まった。

普段聴いてて時折感情移入しすぎて涙ぐむのに(病気)、やってくれたら絶対泣いちゃうはずだったのに、一生に一度だったかもしれない生歌だったのに、なぜか涙はこみ上げもしなかった。
さっきの脳バグの後遺症だったかもしれないけど、視界を邪魔されずに目に焼きつけることが出来たし化粧も崩れないしで結果的によかったかも。
でも雰囲気的には泣いちゃいたかった。

フルサイズ(だったと思う)の逢いに行こうが終わると、もう思い残すことほぼないんですけど…という感じだった。
もうさ拝んだよね、ありがたすぎて。

今度は冬の歌をやりたいんだけどほとんどないんだよね、だから作ってもらいましたと井ノ原くんが言った。
わ~っと歓声が沸き上がり、楽しげな新曲Winter Wonderlandが流れ出した。

ちなみに冬の歌と言われて咄嗟に思い浮かべたのはもちろんLonely Holy Nightだった。
参加前はクリスマスってことであるかもと思ってたけど、逢いに行こうの直後にそれって残酷だし(w)ないなと。
それにちょっと先走るけどセトリ全体通して楽しませる・今の自分たちを魅せつける(惚れさせる)ような選曲に重点置いてるように感じたから、ちょっと切なくなりすぎちゃうLonely Holy Nightはあえて外したのかなと後から勝手に妄想した。

ワクワクな感じの新曲クリスマスソング、みんな楽しみにしてたと思うけど、すぐにトニセンが行動を開始したから一瞬にしてそれどころじゃなくなった。

ま、また来る、戻って来るぞ、(坂イノ)ど、どっちが…???

井ノ原くんだーーーーーー!!!!!!

心の中で飛び上がった。
気持ち的には椅子に立ち上がっていた。(落ち着け)
だってこれはもう完全に大勝利だったもん。
そりゃもちろん坂本くんとだって出来ることならハイタッチしたかったけど、3人全員と触れ合うのが無理で最大2名様だとしたら絶対に長野くんと井ノ原くんがいいと心の底から願い続けてたから嬉しくてたまらなかった。
坂本くんはカノトイで真横を通ってくれたから、今回触れ合えなくても諦めつくと思ってたし。

ほんと今日来られてよかった…全部が奇跡…この席でよかった…おお神よ…と心の中で涙しながらニコニコと歩いてくるピンクい井ノ原くんを見ていた。

当たり前のように耳は仕事を放棄していたけど、さっきあれほどの奇妙な体験を演出した脳は若干のスローモーション補正を勝手にかけつつも比較的安定して動作してくれているようだった。

ただし坂長の存在は頭から吹っ飛んでいて、どっちがどっちを進んでいるかは把握出来なかった。
さっきは坂本くんが真ん中で、井ノ原くんが反対端だったんだけど。

井ノ原くんがやってきた。
ニコニコである。かわいいである。
わたしの左隣の方から時計回りに、円卓の上半分の方々とタッチしてお隣に移っていった。
お隣のテーブルをぐるっと回りながらまた戻って来てくれるだろうとはわかってたけど、さっきお隣の方のところに来た時にわたしもパッと手を伸ばせばよかったかな、でもちょっと距離あったしなとソワソワした。

そうこうしているうちに井ノ原くんが戻って来た。
脳も視神経も仕事してくれているし、今度はもうただひたすらにドッキドキである。

同卓のいのちゃんまんのお姉さま、わたしの隣の選ばれし猛者さまが順にニコニコの井ノ原くんとハイタッチした。
わたしもちょっと右手を挙げて臨戦態勢に入った。
ところが井ノ原くんは猛者さまとタッチするとすぐに前のテーブルの方々とハイタッチするために向きを変えて、完全に背を向けた状態でわたしの目の前を通過した。

えっ

思考が止まりかけた。
目の前に広がった花柄ピンクの背中は宇宙の塵(わたし)を置いてそのまま遠ざかろうとしていた。

宇宙の塵「ぃのはらくんっ…」

とても小さな、震える声が考えるよりも先に出た。
しかも自分らしくないすごい高い声で、すぐえっキモッと自覚したけど、そこで止まることは出来ずに最後まで呼んだ。
緊迫状態だからかこうやたら頭働くのなんなのだろう…

あんな蚊の鳴くような声、聞こえたはずはないと思う。
だけど、ほとんど通り過ぎたところからいきなりぱっと、違うな、ふっと振り返ってくれた。
思いっきり体をよじった振り向きざまの井ノ原くんの流し目(だったと思う。目は合ってない)は、ニッコニコというよりはうっすら微笑んでいるようだった。
※ポンコツ演出脳が作り出した幻想でなければ

いつの間にか伸ばしていた右手に井ノ原くんの手が合った。
間髪入れずに手のひらに全神経が集中するバグが再発し、全力で認識したその感触に「えっ好き」と感想を抱くや否や脳が「好き…好き…好き…好き…好ry」のループに陥り、視神経もダウンして再び目の前が真っ暗になった。

ほどなくして脳と視神経が復旧すると、長野くんと同じくらい鮮やかな、だけどまるで違う感覚が残るちっぽけな手のひらをぼんやりと見つめている自分に気がついた。
井ノ原くんはもうどんどん前に進んでるみたいだった。

井ノ原くんの手は骨っぽかった。
手の肉が薄いのか骨がすごくしっかりしてるのか、手の全部の骨格が感じ取れたような気がするほどだった。
乾いてて少し冷たかったんだけど、ヒヤッとするような嫌な冷たさじゃなく、ちょっとひんやりでちょうど気持ちいい冷たさだった。
人肌に対する表現として「気持ちいい冷たさ」っていうとなんていうか気持ち悪い感じになっちゃうけど、、、w

素早い動きだったと思うのに、すごく優しいソフトタッチ。
あと接触感がめっちゃ軽い。
もっとパーン!てくると思ってたから意外だった。
「そ」というか「さ」というか、そういう感じで手を“合わせてくれた”って感じ。
これも「そっ」とか「さっ」とかでもなく。
触れたか触れないかっていうのともまた全然違って、確実にしっかり触れてるんだけど、“重ねた”感はほんのりで、羽が触れたように軽やかだった。
涼やかで骨感がわかるような手だったから、余計にそんなふうに感じたのかもしれない。

あまりにもパンか搗きたてのお餅かのようで凄まじい衝撃を与えていった長野くんの手の感触は人肌に触れた感とはまったく違ってたこともあって、井ノ原くんのは「ザ・手」「これこそが手」って感じがした。
意味不明な感想すぎて自分でも他にマシな言い方ないのかと頭抱えてるけど、多分夕ドロとハイタッチした人だったらなんとなくわかってくれるんじゃないかな…

ともかく、「男の人の手に触れた」という実感があった。
「(実在の誰かではなく概念としての)彼氏の手」だと思った。
「ああ、あれは彼氏(概念)の手だ」と思い至った途端、ものすごいときめきが体中を駆け巡った。

そういえば長野くんに差し出した腕よりほんの少しだけ高い位置でタッチしたかもと思ったら、井ノ原くんて背高いんだなっていうのと長野くんて井ノ原くんより小さいんだなっていうのがリアルに実感されたような気がしてキュンとした。
実際は身長がどうとかっていうよりも距離とか位置とかの問題だったんだろうけど…(笑)

そういやなんで井ノ原くん急に振り返ってくれたんだろ、ハイタッチしてない人いたなって気づいてくれたのかな、わたしが念飛ばしたの察知したのかな(?)などとちょっとずつ冷静になるにつれて、ぅゎぁお名前呼んじゃってたじゃん、何様なんだ、しかもめっちゃきもい声出したと慌てもしたけど、後の祭りなので気にせず闇に葬ることにした。(葬ってない)
気づけばトニセンはステージに立ってて曲も終わってた。

(´ε`)今のが新曲だったんだけど…

(´ε`)ちゃんと聴いてた?(笑)

無理だわ。(笑)
むしろちゃんと聴かせる気もなかったでしょw
新曲の感想、「イントロが楽しげだった」しかない。
出来れば冬が終わる前に音源化してほしい…

(´ε`)手と手を取り合ってね。

さっきからやたら声が優しくて甘々でギュンギュン。
もう井ノ原くんにメロメロだから、わたし。
紫の女のくせに。アイデンティティの崩壊。
まあでもイヤリングはミントグリーンだからいいよね…(?)

そんな異常な精神状態にありながら、わたしの脳は「抱き取り合った日々」を思い出しながら夕ドロハイタッチの感触をそれぞれ蘇らせるという謎の離れ業をやってのけた。

続く。